沢登りのクツ、何を履けばいい?

ナマステ!

新しいことを始めるのは楽しい。

「やってみたい!」と考えている時間もワクワクします。

でも、そこで出てくるのが、

「何を準備すればいいの?」

という問題。

まだ続けるかどうかも分からないのに、いきなり専用の道具を全部そろえるのは、ちょっとためらいますよね。

そこで今回は、沢登り・沢歩きの道具の中でも特に大切な「クツ」についてのお話です。

① 沢専用シューズ

もちろん、一番安心なのは沢登り専用のシューズです。

沢靴のソール(靴底)は、大きく分けて「フェルト」と「ラバー」の2種類があります。

フェルトソール

地下足袋とわらじをもとにデザインされた沢靴。ソールはフェルト
フェルトソールの沢靴

靴底にフェルト素材を使ったタイプ。

大きな特徴は、水垢や苔などでヌメリのある岩に強いこと。

日本の沢では、苔のついた岩やヌルヌルした岩を歩くことが多く、そんな場所でフェルトは頼りになります。

一方、泥や草の斜面などでは滑りやすく、フェルト自体も歩くうちに摩耗していきます。

靴の上からフェルトソールを履かせるタイプもある。

ラバーソール

濡れても滑りにくいゴム底を使用

特殊なゴムを使ったタイプ。

濡れた岩などで高いグリップ力を発揮し、岩を登るような場面でも使いやすいのが特徴です。

また、フェルトに比べて陸上も歩きやすく、沢へのアプローチを含めて一足で行動しやすいというメリットもあります。

一方で、水垢や苔などのヌメリにはフェルトより弱い場合があります。

つまり、

「フェルトとラバー、どちらが上」ではなく、歩く沢や使い方によって得意・不得意が違う。

ということです。

② マリンシューズ

沢登り専用ではありませんが、初級の沢歩きなら選択肢になります。

水の中で行動しても脱げにくく、濡れた状態でも比較的歩きやすいのがメリット。

価格も沢靴より手頃なものが多いので、

「まずは沢歩きを体験してみたい」

という方には使いやすいと思います。

ただし、沢専用シューズに比べると滑りやすかったり、つま先や足裏などの保護が弱かったりするものが多いので、難しい沢には向きません。

③ 登山靴

いつも使っている登山靴でも沢を歩くこと自体はできます。

足の保護という点では安心感があります。

ただし、大きな弱点が「濡れると重い」こと。

沢では靴の中まで水が入ることを前提に行動します。

特に防水透湿素材を使った登山靴は、中まで完全に濡れてしまうとなかなか乾きません。

④ スニーカー

スニーカーも初級の沢歩きなら使うことができます。

登山靴と比べて軽く、濡れても重くなりにくいのがメリットです。

ただ、一般的なスニーカーは濡れた岩の上を歩くことを想定して作られていません。

靴底のパターンや素材によっては、濡れた岩や苔の上でかなり滑りやすくなるので注意が必要です。

そこで、ちょっとした工夫があります。

⑤ スニーカー+軍足

スニーカーやマリンシューズの上から軍足を履く

マリンシューズやスニーカーの上から軍足を履く方法です。

「えっ、靴の上から靴下?」

と思いますよね(笑)。

でも、これが意外と使えます。

軍足の繊維が岩の表面を捉えて、靴だけで歩くよりグリップ力を高めてくれます。

ただし、岩の上を歩くので当然ながら傷みます。

基本的には消耗品、場合によっては使い捨てくらいに考えておいた方がいいでしょう。

途中で破れることも考えて、予備を持っていくのがおすすめです。

軍足ならホームセンターやワークマンなどでも手軽に購入できます。

⑥ クツ+手ぬぐい

もうひとつ覚えておくと面白い小技。

靴に手ぬぐいを巻く。

一般的な日本手ぬぐいなら、靴の上から巻きつけることで、濡れた岩などでグリップを補うことができます。

もちろん沢靴の代用品として積極的におすすめするものではありません。

でも、緊急時や「どうしても滑る!」という場面で使えることがあります。

登山の知恵として覚えておくと、何かの時に役立つかもしれません。

番外編「ハイブリッド沢靴」

中央部分にフェルトを貼り付けた自作

そしてこちらは、まほろばのスーパーポーター・シンの沢靴

なんと自作です。

ラバーソールの真ん中部分をくり抜き、そこへフェルトを貼り付けています。

つまり、

ラバー+フェルトのハイブリッド!

「両方の良いところを使えないか?」

という発想から生まれた沢靴です。

現在もフィールドテストを重ねながら使用していて、今年で2シーズン目。

耐久性も含めて、今後どうなっていくのか楽しみです。

結局、どれがいいの?

沢専用シューズ、マリンシューズ、登山靴、スニーカー。

それぞれメリット、デメリットがあります。

そして、どのタイプがベストなのかは、歩く沢や使い方によって変わります。

苔や水垢などで滑りやすい場所が多い日本の沢では、個人的にはフェルトソールが使いやすいかなぁと思っていて、私自身もフェルトタイプを履いています。

でも、初めて沢歩きをするために、必ずしも最初から専用の沢靴を買わなければならないとは思っていません。

まずは今ある道具で体験してみる。

楽しかったら、少しずつ専用の道具をそろえていく。

それでもいいと思います。

outdoor station まほろばが実施している「鈴鹿の沢歩き A・B・Cコース」では、今回紹介したどのタイプでも参加可能です。

「沢歩き、ちょっとやってみたい。でも道具がないから……」

そんな理由で諦めなくても大丈夫!

まずは水の中を歩いてみましょう。

暑い夏の日。

森の中を流れる冷たい水に足を入れ、一歩ずつ沢を進んでいく。

きっと、普通の登山とはまた違った山の楽しさが見えてきます。

歩き出せば、見えてくる。

沢の中でも同じです。

\ 最新情報をチェック /