ビンソンマシフ登山 備忘録 DAY③ローキャンプ(LC)〜ハイキャンプ(HC)

2026年1月5日 晴れ 気温−26℃

夜中(と言っても白夜で明るいのですが)に2回トイレに起きた頃から、少し頭痛があることを感じていました。8時にはテントの外に出て、まだ誰も起きていない静かな時間に身体をほぐしたり、周囲を歩いてみたりしましたが、どうも調子が良くありません。動けないほどではなかったため、あまり深く考えず、エアマットやシュラフを畳みながら身支度を整えました。

LCの朝。右奥にマウント・シンが見えてる

11時に食事テントでブランチをとりました。この時、今日はハイキャンプを目指して出発することが正式に告げられました。

すでにパッキングしていたザックに、水分を2.5ℓ追加しました。

服装は、ヘルメット、ハット、サングラスを着用。上半身は薄手のベースレイヤーにモンベルのトレイルアクションパーカ、アウターとしてモンベルのサーマラップパーカを着ました。

下半身は厚手のベースレイヤーにモンベルのアルパインパンツ。中間着のズボンはローキャンプに残置することにしました。

グローブはモンベルの2in1アルパインテックグローブです。

ガイドのJBは、グローブと顔まわりの保護(保温)について、特によくチェックしていました。私はバフやバラクラバの使用があまり好きではなく、できるだけ首周りはスッキリさせておきたいタイプです。

その点でも、モンベルのトレイルアクションパーカは、1枚でフードを被り、ファスナーを上げればバラクラバのようにも使えるため、良い選択だったと思います。(結局、バラクラバのような使い方は一度もしませんでしたが)

ザックの一番上には厚手のダウンを入れ、すぐに取り出せるようにしていました。

12時30分、ローキャンプをスタートしました。

ローキャンプからアッセンダースタートポイントまでは、広く緩やかな道を約1時間歩きます。ペースはゆっくりで、呼吸を乱さないことを意識しました。

LCを出てしばらくは広く緩斜面

アッセンダースタートポイントに到着し、斜面を見上げると、終わりが見えないほど真っ直ぐにロープが伸びていました。斜度は約45度。ロープは1200m続くと聞いており、途中で休憩できそうな場所は1か所ほどしか確認できませんでした。実際に休憩できたのも、その1か所だけでした。

アッセンダースタートポイント

ロープはヒマラヤでよく見るナイロン製ではなく、しっかりとした10mmのクライミングロープがフィックスされており、アンカーも二箇所で取られていました。

ビンソンマシフにはガイド以外にもALEのレンジャーが常駐しており、彼らがルートやキャンプ地の管理を常に行っています。

アッセンダーをセットし、いざクライミング開始です。

南極では、厚い氷床の上に雪が少し乗っているだけのため、先行者が作ったステップになったトレースを利用できることがほとんどありません。足元は常に固い氷の斜面で、これは思っていた以上に厳しいと、登り始めてすぐに気づきました。

何度も足が止まりそうになった

足元の緊張感、背中の100ℓザック、そしてロープでつながれているのは経験豊富な海外の強者たちというプレッシャー。

これを富士山山頂付近の酸素濃度の環境で行っているわけです。

登り始めて約2時間が経った頃、「ランチリッジ」と呼ばれる少し広くなった場所で、ようやく休憩を取ることができました。まだロープの半分も登っていないのに、疲労感は相当なものでした。

ランチリッジで止まっていると、すぐに身体が冷えるため、水分補給と行動食を口にしたら、すぐに再出発しました。

後半は動きが止まりそうになりましたが、一度止まると動けなくなりそうだったため、「1 step 1 breath」を意識し、ゆっくりでも止まらないように登り続けました。

この1200mのロープセクションだけで、約5時間かかってしまいました。

ようやく急斜面が終わったポイント

その先は広い斜面をさらに2時間ほど登り、ようやく目の前にハイキャンプが現れました。

ハイキャンプ3780m

この日の行動時間は約8時間、標高は約1000m上げました。

ハイキャンプ(HC)の標高は3780m、気温は−30℃。

風はそれほど強くないものの、吹いているため、体感温度はローキャンプとは比べものにならないほど寒く感じました。アイゼンを外している間にも、身体が急激に冷えていくのが分かりました。

HCはレンジャーも使用するため、ALEの食事テントがすでに設営されており、まずはその中に入り、座り込みました。

ローキャンプ同様、すぐに自分たちでテント設営をしなければならないのですが、疲労が激しく、しばらく動くことができませんでした。私ほどではないものの、他のメンバーも疲労しており、誰も食事テントから出ようとしませんでした。

しばらく食事テントで休んでいると、ALEのレンジャーとガイドのJB、ミンマが「設営しといたよ!」と言いながら戻ってきました。彼らのシェルパパワーとホスピタリティには、毎回驚かされます。

テントにザックを入れた後、食事の時間になりましたが、疲労のせいかまったく食欲がありませんでした。フリーズドライを1/3袋分だけ作ってみましたが、ほとんど食べることができませんでした。それでも水分だけはしっかり摂りました。

JBからは、「明日の集合時間は10時。天候は良さそうだ」と告げられました。

LCから見上げていたシンが近くなった

22時45分にテントに入りました。

この遠征の間、ずっと同じテントだったフェルナンドから、「明日、君の体調が100%でなかったら行かない方がいい。その時は僕も行かない。80%でもダメだ」と言われました。

隠しているつもりでも、周囲に分かってしまうほど、体調は良くなかったのだと思います。

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