ビンソンマシフ登山 備忘録 DAY① BC〜Low Camp
南極大陸最高峰ビンソンマシフ登山の様子を記録すると同時に、これから計画されている方に少しでも参考になればと思い、ブログに書き残すことにしました。
今回は、ベースキャンプ(BC)からローキャンプ(LC)へ向かった一日の様子について書いていきます。

2026年1月3日 BC 2140m
天候は晴れ。気温は−22℃です。
朝は5時30分に起床しました。
いつも通り早めに目を覚まし、慌てることなく、ゆっくりと身支度を整えました。
南極では朝が遅く、行動開始時間も自然と遅くなります。
それでも、周囲のペースに無理に合わせることはせず、自分のリズムを崩さないことを意識していました。こうした「いつも通り」を保つことが、結果的に体調管理にもつながります。
9時に朝食をとり、食後は自分の装備をダッフルバッグにまとめてソリへ積み込みました。

ソリを引くためのロープは、バックパックと結びつけます。
11時10分、出発です。
ガイドのJB(ネパール)、私(日本)、フェルナンド(スペイン)、イェン(イギリス)、ケーシー(アメリカ)の多国籍パーティです。
空は青く、風もありません。
南極では本当に貴重なコンディションです。
「こんな日は少ないよ」と、ガイドのJBが話していました。
出発時の服装は、薄手のベースレイヤーにモンベルのトイレアクションパーカ、アウターとしてモンベルのサーマラップパーカを着用しました。
下半身は厚手のベースレイヤーにモンベルのクリフイージーフィットパンツその上にモンベルのアルパインパンツ(シェルパンツ)を重ねています。
足元はスポルティバの三重靴(高所靴)、アイゼン着用、手袋はテムレス、頭にはニットキャップを被ってスタートしました。

斜度はきつくなく、広い斜面を淡々と歩いていきます。
しかし、気温は低いのですが、風がなく行動中はとにかく暑く、気がつくと滝のような汗をかいていました。
歩き始めて約1時間後、最初の休憩でアウターを脱ぎ、ニットキャップはハットに、手袋も軍手へと変更しました。

下半身もベースレイヤーとシェルパンツで十分でした。
服装については別途まとめたいと思います。
大量に汗はかきましたが、湿度が極端に低い南極では、汗はすぐに乾いていきます。ただし、脱水していることに変わりはありません。
本当はもっとこまめに水分補給をしたかったのですが、休憩はおよそ1時間30分に1回のペースでした。暑さが苦手な自分にとっては、少し間隔が長く感じられました。
行動中は暑いのですが、立ち止まると急激に冷えてくるので、薄手の保温着は常に取り出しやすい場所に準備して脱ぎ着を繰り返しました。

17時、LC(Low Camp)に到着しました。
暑さの影響もあり、かなり疲れていました。
BCからの距離は約9km、標高は2780mです。
到着後、すぐにテントを設営しないと身体が冷えてしまうので、LC到着後の最優先事項がテント設営でした。
他の隊はテントも自分たちで運んで来ますが、我々ALE隊はあらかじめ残置されているテントを使用することができました。
マウンテンハードウェア製の3人用テントを、2人で使用します。

キッチンテントも残置されているものをガイドが設営(ヒルバーグ製)し、ローキャンプではガイドのJBとミンマが食事を作ってくれました。

ローキャンプ以上では、トイレを含め、すべてのゴミを持ち帰らなければなりません。そのためトイレの使用方法についての説明を受けました。

夕食を食べながらのミーティングで、翌日の朝食(ブランチ)は11時と言われました。
ローキャンプに陽射しが当たるのが11時以降になるため、それに合わせて行動開始時間も設定されています。
ここLow Campの標高は2780mですが、極点に近い場所では大気の密度が低く、標高3000m以上の酸素濃度になります。
高山病を防ぐために水分補給を意識し、食後すぐに横にならない、頭を冷やさないなどのセルフケアを心がけ、21時に就寝しました。
この時点ではテントの中は暑いくらいでしたが、Low Campが日陰になる深夜2時を過ぎた頃から、急激に冷え込み始めました。
ユニオングレイシャー基地は1日の寒暖差が少ないし、そもそもそんなに気温は低くくありません(−8℃程度)。
ビンソンマシフBCでは−22℃ぐらいになりますが、太陽の角度や風などの条件次第で体感温度は寒暖差を感じます。
それがLow Campになると気温は−26℃程度ですが一日の寒暖差は更に感じるようになってきました。


