南極大陸最高峰ビンソンマシフ遠征記⑧BC
2026.01.01 11時、スキーを装着したプロペラ機に10人が乗り込み、ビンソン・マシフBCを目指して飛び立ちました。

機窓から広がる景色は、これまで一度も見たことのない世界でした。果てしない氷の大地から、突然山々が突き出すように現れる景色は、まるで別の星に向かっているような感覚になりました。


やがて飛行機が高度を下げ始めると、目の前にひときわ大きな山が姿を現しました。その圧倒的な存在感から、あれがビンソン・マシフだとすぐに分かりました。
約1時間のフライトを経て、ビンソン・マシフBCに着陸しました。標高はおよそ2,200m、気温は−18℃です。周囲を山に囲まれている為か、風は意外なほど弱く、静かな環境でした。

目の前に聳え立つ巨大な山体は雪と氷をまとい、圧倒的な美しさを放っていました。山頂付近はなだらかで広大な大地のように見えますが、そこに至るまでの斜面は想像以上に急です。「女性的な山」と聞いていましたが、その印象は受けませんでした。
到着後すぐに、ベースキャンプのスタッフから案内を受けました。特にトイレのルールはヒマラヤとは大きく異なり、間違えないように慎重に説明を聞きました。

ユニオン・グレイシャー基地の3分の1ほどの大きさの食堂テントがあり、暖房や充電設備が完備されています。さらにWi-Fiまで使えることには驚きました。

テントは2人で1張です。私はスペイン人のファランドと同室になり、テムとケーシーは別のテントを使用します。英語があまり得意でない私を、彼らは常に気にかけてくれています。
現地スタッフからアナウンスがある度に、その内容を私が理解できているかを確認するため、ファランドがもう一度かみ砕いて説明してくれるのが、すでにルーティンになっています。


13時からの昼食時に、今回の担当ガイドであるJBと会いました。彼はネパール人で、有名なガイドです。
ALEには世界各地から著名なガイドが集まっており、JBもその一人です。
JBによると、天候が思わしくなく、今日と明日はBCでの待機になると告げられました。外を見ると、先ほどまで姿を見せていたビンソン・マシフはガスに包まれ、完全に見えなくなっていました。

時間は十分にあります。この機会を使って、装備の最終チェックとパッキングをやり直そうと思います。ここから先はソリを引いての移動になります。ソリを引いての登山は、今回が初体験です。




